第4章 全力放置 朔間凛月
「…何で避けてたの?」
しかし次の瞬間には弱々しい声に変わっていた
「……まーくんがいいの?」
私はハテナマークしか浮かんでこない。顔が近いのは変わりないがうつむいてしまって見えなくなっていた。いったいどんな顔をしているのやら。
「まーくんはいつものことだけど…今回はコーギーとかナッちゃんにも凄く怒られた。王様にもほどほどにって言われたし、スーちゃんも怒ってた。ついでに兄者も。」
…零さんの扱いだけすごくひどい。
というか未だ状況についていけてないのだが。
戸惑っていると凛月くんはギューッと抱きついてきた。
……………少女漫画パート3突入
「あ、あのー…?」
怒ってるの!?怒ってないの!?年上なのに敬語使わなかったから!?でもタメ語で良いって言ったのそっちじゃん!?
何でこんな短期間で少女漫画的なhappeningがおこっとんじゃーーーーーいっ!!!
「……でも俺、ずっと一緒が良い。」
更にぐっと力を入れてくる。相変わらず顔は見れない
「俺、頑張るからさ。避けるのやめてよ。」
凛月くんはそう言って何も喋らなくなった。寝たかな…?と思ったがそうでもない。
まぁ…嵐ちゃんと真緒くんからはもういいって言われてるし避けるのはやめるけど……
その前に力入れるのやめてほしい。
「痛い、力入れすぎ…」
「…!ごめん………」
凛月くんはバッと抱きつくのをやめた。変わりに横でごろんと寝転がった
「茜、しんどいの…?」
「別に…」
ぐねった手足はまだ痛いけど、貧血はなおったらしい。
お腹すいたなぁと思いながらチラッとカーテンの隙間から時計を見た。
1時間ほど寝てたらしい。………その間戻ってこない先生っていったい。
もうすぐ昼休みだ。スバルくんらへんが騒ぎ出すだろ。
「んー………起きよっと」
上半身を起こして凛月くんは寝たかなと思っていると再びギューッと抱きついてきた
今度は痛くない
「行っちゃやだ。」
「お腹すいたもん」
軽くスルーしたらあからさまにシュンとしたので私は振り返って言った
「ご飯食べに行こうか」
そしたらニッコリ笑って着いてくる。
凛月くんは今日、上機嫌である。