第4章 全力放置 朔間凛月
まぁ、避けなくても良いと言われてもライブやらプロデュースやらテスト勉強などでまたしばらく会えない日が続いた。
「………茜の嬢ちゃんや。大丈夫かの?」
「はっ!すみません…!」
この日は軽音部の部室でUNDEADのプロデュースの予定だった。
メンバーの一人である乙狩くんが用事で来れなくなってしまったのでなかったことにしてほしいと零さんが話していたのだが
すっかり眠ってしまっていた。
「近頃の嬢ちゃんはみるみるうちに弱っていっておるようじゃのう…。帰って早く寝た方が良いと言いたいところじゃがそんなフラフラで帰られても吾輩、心配でたまらんわ。
そこでじゃ。吾輩に一つ提案がある。
吾輩の棺桶で眠るのはどうじゃ?佐賀美先生は生憎、出張のようでの。保健室には入れんのじゃ。」
「でも…それじゃあ零さんが眠れませんよ?」
「まぁ確かにのう。吸血鬼である吾輩には少しきつい時間帯じゃて。しかし愛らしい嬢ちゃんのためじゃ。ここは格好つけさせてくれんかのう?嬢ちゃんには凛月が世話になっておることじゃしの。」
そう言われ棺桶に肩を押される。恐る恐る寝転がってみると寝心地はなかなか良かった。
「心ゆくまで眠るがよかろ。なぁに、吾輩が側におるから安心じゃ。」
「ありがとうございます…お休みなさい」
棺桶の蓋を閉めてもらって眠りにつく。私は十秒もかからないうにち眠ってしまっていた。