第4章 全力放置 朔間凛月
凛月くんの補習の間、私は大神くんと廊下で凛月くんを待っていた。
「………眠い」
この一言に尽きるのだが。
「…お前、そんなんなるまで何してたんだよ。前にも言ったけど、人に頼るってことを覚えろ!」
「うん…大神くん、ありがとう…」
と言うとべ、別にそんなんじゃねぇしっ!とか真っ赤になって言うもんだから可愛いなぁと思ってしまう。
「んで?お前、リッチ-避けるのやめたのか?」
「嵐ちゃんと真緒くんがもう良いよって……。私は…凛月くんと寝ることで休養をとってのかもしれないわね…。」
今更ながらに気がついたので、どうしようもないのだが…。
「はん、気づいて良かったじゃねーの。これ以上避けてたらお互い死んでたかもなぁ?」
「マジで冗談に聞こえないよ…?あぁ、あと最近アメージングさんに会ってないからかも。あの人に驚かされたら絶対眠れるもん」
「びびりすぎて気絶してるだけだろうが!お前のビビリ症は何とかなんねぇのかっ!?」
いきなり怒鳴られて飛び上がる。声が出なかっただけマシかもしれないがすっころんだ。
「…………Oh my god」
「…どごぞの1年の口調がうつってんぞ。つか大丈夫か?大声出して悪かったよ。」
大神くんが手をさしのべてくれたのでその手を掴もうとすると…掴む前に他の手が私の手を掴んだ。
「コーギー…何してくれてんの」
「ゲッ!リッチ-!てか……俺が悪いのかよ……」
「凛月くん誤解しないでね、私がこけただけだからね?」
「わかった」
「理解早っ!?」
凛月くんはどことなく嬉しそうに私を立たせた。思えばこうやって近くにいるのはとても久しぶりだ。