第4章 全力放置 朔間凛月
私が言っていた用事は校内アルバイトだ。司くんがかわりにやってくれたから助かったけど…次から気をつけなきゃ。
早寝早起きが大切だよね!と意気込み、昨日は十時に寝たのだが…
「ち、遅刻遅刻!寝坊した!」
と朝から目覚まし時計に向かって叫び、我が母が作ったお弁当を持って風神のごとく走って……
チャイムと同時に席に着くことができた。
「……病み上がりなのに大丈夫なのか?」
「平気平気…ふぁぁ…どんなに寝ても寝た気しないや…」
隣の席の乙狩くんが心配そうに見てくる。
「寝てたら起こしてね…意地でも起きるから…」
「…わかった。」
ということで毎時間乙狩くんに起こしてもらい頑張れとか声をかけてもらって何とか乗り切った。
「ありがとう乙狩……くん…」
「礼を言って寝るな。しっかりしろ。」
と放課後になってもこんな感じ。
「今日は……………………
おぉぉっ!久しぶりに何にもないっ!?寝られるっ!?眠れるっ!?」
スケジュール表をパラパラめくって今日一番の声を出したが、それに余計な力を使ってしまいフラフラとよろめく。乙狩くんが支えてくれる。
…介護されてるみたい
「良かったな。今日はゆっくりするといい。」
「する。絶対する。絶対寝る。」
乙狩くんと妙な約束をして、私は教室を出た。
が………
「待てリッチ-!」
「凛月ちゃんストップ…」
「凛月っ!補習があるだろっ………!?」
大神くん、嵐ちゃん、真緒くんの三人に引っ張られてもなお進もうとする凛月くんの姿が目に入ってきた。
「い……や……だ……!」
私は前のめりに卒倒しそうになった。もう波乱だ。私の人生には波乱しかない。
「っ……茜!」
ほら、見つかった