第27章 夢の話し 朔間兄弟 _女の子の日注意あり_
「母から薬をもらってきたのじゃが……飲めるか?」
零さんの部屋に通され、ベッドで寝かせてもらったのは良いけど………
いったいなんだこの豪邸は。
ヨーロッパのお城みたいで落ち着かない………
だって、ベッドにヒラヒラのカーテンみたいなのがついてる。これが天蓋ベッド……!
「あ…りがとう、ございます………すみません迷惑かけて…」
「全然構わんのじゃよ?吾輩の家には母もいるから…安心じゃろうて。」
零さんのお母さんに会ってみたいと素直に思ったが、今はそれどころではない。
私はただお腹の痛みに耐えるのみ。
「……よしよし」
突如、零さんが背中から抱きついてお腹をさすってきた。
思わずお腹の痛みも忘れて飛び起きてしまった。
「ッあの、零さ………」
「じっとしておれ。こうすればよくなると母から聞いてのう。ようするに、あたためればよいのじゃろう?」
「もっと別のやり方が……!」
抗議しようとしてもこの人には無駄だろう。腕を引っ張られて元の体制に戻された。
「吾輩、男じゃからのう……変われるものなら変わってやりたいのじゃが…」
「そのお気持ちだけで十分です……うぅぅ」
零さんがさすってくれているおかげか、少し楽になった。
「………棺桶ではないが…今宵は吾輩と眠ろうぞ?」
子守歌のように囁いてくるので、すっかりリラックスして眠ってしまった。