第27章 夢の話し 朔間兄弟 _女の子の日注意あり_
「さて……一泳ぎしてくるかの」
気まずい雰囲気から逃げるように、零さんはビーチパラソルから出て行った。
そして、お腹の痛みはピークに。
あまりの痛さに座るのも苦しく、家から持ってきていたバスタオルを敷いて寝転がった。
そのまま痛さに悶絶しているうちに、私は眠ってしまった。
「………ぅ」
鈍いお腹の痛みで目を覚ました。今何時だろうか。ゆっくりと起き上がる。
目がショボショボしてよく見えない。目の前には………
何だ?これ何?
白いフワフワしたものがあったのでとりあえず触ってみる。
タオル………?あ、でもフワフワしてて気持ちいい。
そのままギューッとそれに抱きついた。
「………………おい」
「なかなかレアなシーンだね!」
聞き覚えのある声がチラホラ聞こえてきたが、まだ目はハッキリしない。
とりあえずフワフワで気持ちいいので抱きついたままもう一度寝ようとすると……
「起きて、おねがいだから起きてよ」
フワフワする物が動く。
そこらへんになるとさすがに目が覚めた。
そのフワフワする物が……
バスタオルにくるまった凛月くんだと気付くまでそう時間はかからなかった。
「わっ!!」
「あ、起きた。おはよ~。」
「は、羽風先輩…!大神くんも乙狩くんも、いたならおこしてよ………」
凛月くんに謝ろうとしたが、彼はうつむいて耳まで真っ赤になっていた。
どうしたのかと尋ねたかったが凛月くんのが私の頭に手を置いて私を押してしまった。
「ハハッ!リッチー照れてんのかよ!!」
「うるさいコーギー。照れてるんじゃなくて暑いだけ!!」
「あぁ、それじゃあ冷たいもの買ってこようか?何が良い?アイス?かき氷?ジュース?」
私がそう言うと、大神くんが大きなため息をついた。
「元気出せ、リッチー」
「落ち込むことはない」
「はぁ!?マジで何なの…!!あんず!!かき氷!!!」
「了解!」
羽風先輩がなぜか大笑いしていたが、気にせず売店へと向かった。