第26章 先輩の家 青葉つむぎ
「2人とも、何はしゃいでるんですか~?」
ほら見たことか、つむぎ先輩が起きてしまった。宙くんは……スヤスヤと眠っているが。
「コチョコチョ大会だヨ」
「仲が良いですね~。でももう寝ましょう?眠れないなら一緒に寝てあげますよ?」
ポンポンと自分の布団を叩くつむぎ先輩。
待てよ、そんなことしたら………
「良かったねぇ子猫ちゃン?ね、む、れ、な、い、ん、で、ショ?」
ほら………夏目くんがすごく黒い顔してる………
「いや、眠れなかったのは夏目くんがコチョコチョしてくるからで……」
「遠慮しなくて良いんですよ~」
気付いてください。夏目くんの黒い笑みに。
しかし気づくはずもなく先輩はグッと私を引っ張って自分の布団へと引きずり込んでしまった。
「…あレ、なんかリビングで寝たくなってきタ!」
それを見た瞬間に夏目くんがそんなことを叫んで眠っている宙くんと枕を担いで部屋を出て行った。
………………あれ
夏目くん、とんでもないことしてくれたんじゃ…
「一緒に寝たらいいのに~。ねぇ?」
「……………そうですね」
せめて枕をとろう。先輩と同じ枕で寝たらそのまま昇天する。
「はっ!枕が!」
「夏目くんが間違えて持っていったじゃ……」
わざとだ。絶対わざとだ。
「はい」
私がクソやろうとかうんぬん心で悪態を吐いていたらつむぎ先輩が片腕を私の方に伸ばした。
「枕がないなら俺の腕で我慢してくださいね」
…………先輩は、奥手じゃないよ夏目くん…
天然なだけだよ………
「う、腕お借りします…」
「はいど~ぞ~。ふふふ、あんずちゃんと夫婦になったみたいですね。」
今度こそノックアウトだった。
私は真っ赤になって丸まった。
「え?どうしたんですか?」
朝まで心臓が持ちそうにありません………