第26章 先輩の家 青葉つむぎ
「あんずちゃん、俺と同じシャンプーの匂いがしますね~。」
「 あの、もう、やめてください……ね、寝ましょう?」
しまった。天然にはこんな欠点があったのか…!恥ずかしすぎてやばい。
「でも、こんなに良いことがあったら明日はたくさん良くないことがありそうで怖いです…」
「私は今とてつもない幸せと不幸に襲われているから明日くらいにとんでもないことがありそうですね。………」
何だかよく分からないところで意気投合してしまった。
「明日起きられなかったら困りますから寝ますね?お休みなさい」
「は、はい」
そのまま寝たが、先輩の腕枕で寝る勇気はなかったので頭を腕からずらして寝た。
「寝ちゃいましたかね…」
つむぎがソッと目を開けた。彼は寝てなどいなかった。
腕枕をしてやると言ったのに、彼女は腕から体を離している。
「………これくらい、許してくださいね」
つむぎはあんずをソッと抱きしめ、今度こそ本当に寝た。
「子猫ちゃン、昨日はどうだっタ?」
「んもう!何にもなかったよ!!」
しかし夏目は全てを知っている。
面白い二人だ、と彼は影でほくそ笑んだ。