第26章 先輩の家 青葉つむぎ
「HiHi~!衣装作りは楽しいな~?」
晩ごはんを食べ終わったので、皆でチクチク針仕事。つむぎ先輩と私は慣れているが宙くんと夏目くんが苦戦していた。
夏目くんは魔法でやりたいとかぐちぐち言ってたけど、何だかんだ手伝ってくれた。
宙くんは意気揚々とやっている。
「衣装製作って大変なんだネ…いつもありがとウ、子猫ちゃん」
「あの、俺も作ってるんですが…!」
「…………」
「え!?無視!?無視ですか!?」
「大丈夫ですセンパイ、シショーからありがとうの色が出てますよ!」
落ち込むつむぎ先輩を宙くんが必至に励ましている。
何だか親子みたい。
「あ、そうだ…皆、今日は泊まっていくんですよね?」
「え?」
「そうだネ、ほら子猫ちゃんお家に電話しておいデ」
全くそんなつもりはなかったのに夏目くんに言われるがまま家に電話した。
さすがに許可してくれないと思ったが……
『えー!?晩ごはん食べちゃったの!?家で食べると思ってたわよ!?でもオッケー!泊まってこい☆よーし!一人いなくなったしお寿司食べに行こう!!』
とかなんとかノリノリでOKが出た。
「……いや、あの、着替えとかないんですけど」
「ブカブカかもしれないけド、センパイの借りたラ?」
どす黒い笑みでそう言われてしまった。
そんな恥ずかしいこと出来るわけないし先輩もかしてくれるわけがない。
「良いですよ、これとかどうですか~?」
………かしてくれるんだ
「ソラ、先にお風呂入っておいデ。僕は子猫ちゃんの後二…」
「一番最後に入る!!夏目くんは一番最初ね!」
「チッ」
夏目くんと宙くんは着替えを持っているようで、先輩にかりることなく風呂に次々に入っていき…
私も入って先輩のジャージを着るのだが………
「でかい………!」
低身長の私には困ったことにズボンがはけなかった。ブカブカでストンと落ちてしまう。
「…………マジか」
鏡に映った、ジャージの上だけを着た自分の格好に苦笑した。