第23章 君が大好きな私へ 氷鷹北斗
4人もいたら話しにくいのではないか~とかいう話になったがとりあえず全員出てって欲しい。素直に言っても聞こえちゃいない。
しかもあろうことか衣更くんが勝ってしまった。
そして衣更くん以外でとか言ったばかりに生徒会関連ということがバレた。
……………その上残るのは氷鷹くん。
一番話しにくい相手なのではないか。
「さぁ、話してくれ」
……………………………無理です、と言おうとしたら彼はバン!と床を叩いた。
「拒否権はない。早くしろ。」
男の子に言われたい言葉上位に入りそうな台詞を吐いて彼は………怒っていた。
「…………いや、本当に……カゼ……コホ、コホン」
「…………」
どんどんにらみがキツくなってきている。
………話さなきゃ駄目なのか、これは。
「………………氷鷹くん」
「何だ」
「………話したことで、誰かを責めるとかはやめてね」
私は覚悟を決めた。
「…いつだったかな。もう随分前。日々樹さんに演劇部の部室に呼ばれてね…」
日々樹さん、と言った瞬間顔つきが変わった。
「だ、大丈夫か?何かされていないか!?」
「いやされたけど……大丈夫じゃないからこうなってるけど…………とりあえず落ち着こう?」
そうは言っても全く落ち着く様子がない。
「……でね、その時に…演劇部に入らないかって誘われて、断ったの。その日から勧誘がすごくてすごくて………別に良いの、勧誘は…部活の勧誘はどうでも良いんだけど…
なぜか、fineに誘われて……」
「……専属のプロデューサーにか?」
私は黙って頷いた。
「大事なことだからね。じっくり考えたかった。でも、最終的には生徒会長と一緒になってヤイヤイ言ってきたの。
生徒会長なんか一億円あげるとか冗談なのかよく分からないこと言ってくるし、挙げ句の果てには生徒会の権力を駆使して無理やりみたいなことになって。
それで……廊下ですれ違う度にお返事は?って聞かれるの。もう少し待ってほしいって先延ばしにしてたけど………なんかあの二人の顔見るの億劫になって気付いたら………
仮病を使っていたというか…」
あぁ、くだらないこととか思われてないかなぁ。
ごめんね氷鷹くん。日々樹さんを責めないで上げてね。答えを出さずにうだうだしてた私が悪いんだから。