第23章 君が大好きな私へ 氷鷹北斗
明星くんから引っ張り出されて皆の前に出された。
「……ほら、立てるか?」
衣更くんが手をさしのべてくれたが、その手は………何だか、つかめなくて。
「ごめんなさい」
土下座して誠心誠意を込めて、謝った。
私の勝手な事情で振り回しているのだ。本当に申し訳ない。
皆、どうしたんだとか悩みがあるなら話してくれと言ってくれてはいるが……
あんな話は、絶対話せない。
ごめん、ごめんね皆…
「…もしかして、学院に来ないのって俺たちが原因?」
少し核心を突いてきたその質問に、
「………私からは、何とも…」
という曖昧な返答しか口から出て来なかった。
事の真意はあの人に聞かないと分からない。
私も、よく分からないままこういうことになっているのだから。
とりあえず謝り続けていると………学院に来ない原因が自分たちにあるのなら、私が謝るのはおかしい、と言われた。
「あぁ……そうなの?」
自分でも変なこと言ったなぁと思う。衣更くんはほとほと呆れていた。
本当に…………私にもよくわからないのだ。
何でこんなことになったのだろう。
あの人と………ちゃんと話せば良かったのだろうか。
しかし、あの人といると上手に息が出来ないというか………息苦しくなる。
………苦手、なのだろうか。確かに、他の人達と放つオーラは違うけれど。
でも嫌いじゃない。ちゃんと……良い人だもん。
だから、あんなこと言われたのが余計に心に響いているんだろう。
……私、どうしたら良いんだろう。