第21章 大正歌劇に迷い込む 守沢千秋
ブチッと何かが切れたように目が覚めた。
あんなこと言っちゃったけど、元に戻る方法なんて…
とりあえず朝の支度をして、朝ごはんを作ることになっていたので台所に向かう。
御飯を炊いて味噌汁作って卵を焼いて………
パンをチンしたら終わる生活に帰りたいと果てしなく思った。
「おはよう、あんず殿!」
「あれ?神崎くんだけ?」
「皆、夜の見回りに行ってまだ帰ってきていないのだ。そのうち帰って来るであろう。我は今日休みの日であるから、仕事はない。」
なるほど、と朝からよく食べる神崎くんの横に座った。
そして、昨日の夢で気になったことを少し聞いてみた。
「あのさぁ…最近、流れ星とか見なかった?」
「ん?流れ星と言うより……何だか、空から光が降ってきたのは見たが……」
「空から光が!?」
「一瞬、その光で空が割れたように見えて……とても綺麗であった!!」
間違いない。どんな現象かは知らないがきっとそれにあの子はお願いをしたんだ。
「それが、どうかしたのであるか?………あぁ!記憶を少し取り戻したのだな!!」
「え、あぁ、うん!何かね…アハハ。」
もう一回それが起きてくれれば話は簡単なんだけどなぁ……。
「何なら、光が落ちた場所まで連れて行こう!」
「ほ、本当!?」
よく分からないが、まぁ唯一の手がかりだ。手放したくない。
「ではさっそく参ろう。確か、守沢殿が調査を担当していたと………もしかしたら、見回りついでに立ち寄ってるかもしれんな!」
「なるほど!そんじゃレッツラゴ-!!」
「れ、れっつらごお?」
い、いかんいかん。ここで横文字は禁句だった!!!