第19章 思わず目を見開いた、あなたの正体 瀬名泉
「あら、ドアが小さい…」
「あんたが大きいの。」
「あぁ、そうでした。」
小さくなれ小さくなれ。元の大きさに戻れ~!
「あ、今度は上手くいった!」
「さぁ行くよ~?」
帽子屋さんがドアを開いた。
そこには………
「やっぱり!」
「さぁ、ゲーム開始よぉ!」
期待を裏切らず、嵐がそこにいた。
……ていうか、嵐ってドレスすごい似合う!!
「あらぁ!そこにいるのは帽子屋さんじゃない!お隣は……アリスね。ウサギから聞いてるわぁ!」
「あーっ!また会ったなアリス!!」
「お、王様再び!?ていうか私は携帯が欲しいよっ!?嵐のドレス姿を撮りたい!もういいやこの目に焼き付けよう!!」
「……嵐?それは誰かしら?実は私、あなた達を待っていたの!楽しい楽しいゲームをしましょう!?」
そう言って嵐は………マイクを持った。
「なるほどねぇ…」
帽子屋さんは被っていた帽子屋からマイクを取り出した。
………え?ずっと入ってたの?
「歌って踊って……上手だった方が勝ちよ!!」
嵐がそう言ったとたん、トランプのカードに棒人間のような手足が生えた………兵隊がどこからかやってきて様々な楽器で音楽を奏でだした。
「な、何これ…」
「わははっ!面白くなってきたなぁ!勝ち負けを決めるのはアリスだぞっ!さぁ、見てるだけじゃ勿体ない!俺達も歌って踊ろう!!」
と王様に言われるままに歌って踊った。ワイキャイしていたら、勝負なんて関係なくなってきた。
あぁ、楽しい。
ずっとこのままでいたい。
私はアリス。不思議な国に迷い込んだけど、とっても楽しい。
そのうち、いつの間にか帽子屋さんと踊っていた。とおってもダンスが上手。
「だめだよー?」
突然、帽子屋さんがそう言った。