第17章 君と私の関係やいかに 影片みか
「ところで、今日は何で図書室に?」
「勉強教えて、せーんぱい♪」
教科書を両手に抱えてこないだテレビでやってたとびきり可愛いポーズでお願いしてみた。
「良いですよ。丁度暇ですし。」
………完全なるスルーありがとうございます。
影片くんと勉強したいなぁ、という気持ちは抑えておこう。
…………………嬉しかったんだけどなぁ、告白。
私には、つきあうとかイメージできないし……断ったことは後悔していない。せめてあのとき、嬉しいと伝えれば良かった。
先輩に教えてもらいつつ今日の課題を進めていく。別に、分からないほど難しくもないけど……。このまま家に帰れば変にモヤモヤしてしまうと思って、先輩に会いに来たのだ。
「……あんずちゃん?聞いてますか?」
「へ?あ、あぁごめんなさい。」
いかんいかん。自分の世界に入りすぎた。
「ここはこうです、でここは…」
さすが年上。分かりやすく教えてくれる。
私は集中しようとしたが、ついつい影片くんのことを思いだしてしまうものだから………何一つ身に入らなかった。
「………そう、残念ね。」
影片はあんずにフラれたことを鳴上に報告していた。ここガーデンテラスで、度々話を聞いてもらっていたのだ。
「…やっぱあんずちゃん、つむちゃん先輩が好きなんやろか。」
はぁ、とため息をつく影片。よほどショックだったのであろう。
「でも、あんずちゃんがそう言ったわけじゃないわ。それにあんずちゃん………あの人と一緒にいるとき、そういう風には見えなかったもの。」
「せやけど!あんずちゃんとつむちゃん先輩、同じ中学校で委員会同じやったんやで!?それで、あんずちゃんたくさんつむちゃん先輩と喋ってるやん!」
「うーん、でもね。私には本当にただの先輩と後輩にしか見えないわよ。」
フラれた直後だからか、とても消極的になってしまっている。
これでは鳴上もフォローできない。