• テキストサイズ

短編集…あんさんぶるスターズ!【あんスタ】

第16章 騎士たるもの 月永レオ


レッスンが終わって皆が帰った後、私は衣装作りをして………レオは作曲をしていた。

ガリガリと書き殴っているけど、そのうち床や壁に書き出したりしないだろうかと気が気でない。


「書けたっ!!!あんず、帰ろう!!!」

「…………あ、そうだね。もう6時か…。ちょっとだけお腹空いたな…」

「俺はかなりペコペコ!もしかして、またお昼ご飯食べるの忘れてた!?」

「ちゃんと食べてたよ…」


ダンスやらで動いたせいだろう。裁縫道具や布を片づけて、立ち上がろうとしたが…立ち上がれない。それもそのはず、レオが私の膝を枕にして寝転んでいた。


「…帰らないの?」

「気が変わった!!!」


気まぐれすぎる…。ほとほと呆れた。

レオがウトウトする中、私は先ほどの手鞠野さんとのやりとりを思いだしていた。

レオに話せたら良いけど………喋ったらただじゃおかないとあの人は言った。

はったりかもしれないが、もしかしたら…という考えが浮かんできて言い出せそうもない。

不安でたまらないものだから、自分の膝を枕にして寝転がっているレオにギュッと抱きついた。


「んー…?あんずからのハグは珍しいな…

どうした?」

「………ッ何でもない」


明らかな涙声だった。レオはポンポンと軽く背中を叩いてくれた。


「言えないのか?」

「………うん」


レオから体を離すと、ポタポタッと涙がこぼれた。涙はレオの頰を伝って、床に落ちた。


「……泣くな」


レオが優しく涙を拭ってくれる。それでも涙は止まらない。


「………あんずは頑張り屋さんだな。」


レオは起き上がって正面から抱きしめてくれた。

レオの腕の中で、私は泣き続けた。
/ 683ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp