第16章 騎士たるもの 月永レオ
「瀬名先輩が法事、鳴上先輩は体調が優れないそうで欠席です。凛月先輩は、寝坊したと先ほど連絡がありました。ですので、現時点で一応全員揃っています。」
「そっかぁ…それじゃあ凛月くんが来ても4人……。」
「瀬名先輩は、ちゃんと練習はしておくと言っていましたよ。鳴上先輩は…体調が心配ですね」
全員揃わないとなると、やることは限られてくる。しかし仕方ないので今いるメンバーで合わせることにした。
とりあえず全員で一曲通してみたが、3人だけでバラバラ。
Knightsの2人は揃っているのだが…。パフォーマンスが得意な手鞠野さんのダンスがずば抜けすぎていて、2人がついていけていない。
それに、自分で音痴と言うほどだから……手鞠野さんの歌が本当にひどい。
「コマ、いつも歌どうやってんだ?」
「んー…1年生たちに歌わせてる。俺ぶっちゃけ歌ってない。」
「歌わない分、ダンスがすごいのですね………。どうしましょう、お姉様?」
お姉様と司くんが言った瞬間、手鞠野さんが固まった。
「……司くん、お姉様はやめて。」
「え…?どうしてですか!?そんなこと言わないでくださいましっ!お姉様!!」
だからやめてと言っているのに。変な関係と勘違いされないだろうか。手鞠野さんをチラッとみると………
「…………」
…この上ないくらい、寂しそうで……………切なそうな顔をしていた。
お姉様呼びにドン引きしたというわけではなさそうだ。
…………この人、闇が深そう。
「とりあえず…俺達がコマに頑張ってダンスは合わせよう。上手な奴に合わせた方が良いに決まってるからな。」
「歌は………1個のフレーズだけ歌いましょう。」
「……えー、歌うの?まぁフレーズ1個ならなんとかなるか…」
4人だけでも課題がたくさん……。6人そろったら、どうなるんだろう…