第16章 騎士たるもの 月永レオ
「あの……Knightsのリーダー、月永レオです。」
「…………リーダー?」
手鞠野さんはこれが!?これが!?という視線を投げつけている。それを何とも思わずレオがガバッと抱きついてきた。
「今日もかわいーなっ!愛してるぞあんずーーーっ!!!」
「あぁもうくっつくなっ!!!!」
「気にしないでね小町ちゃん。この2人、幼なじみでカップルなの。日常茶飯事なのよぉ~。」
「うん」
今度こそ軽蔑される、と思ったが手鞠野さんはケロッとした顔をしていた。
「適応早いね…」
「あぁ、うちの生徒会長なんか初対面の女の子に『君に出会って運命を知ったよ』とか言って抱きつくから、それよりマシかなって。」
そんな人に生徒会長がつとまるのだろうか。
そんなこと思っている間もレオがギュウギュウと抱きついててうっとうしい。
「さぁ、今日は終わりにしましょう…。明日から本格的にやるので、歌詞とか覚えてきてくださいね!」
「俺が作曲したぞっ!!!インスピレーションの曲だっ!」
イエイイエイ!と舞い上がるレオが私に全体重をのせてはしゃいでいる。
重い。本気でやめて欲しい。
「あー、王様ずるい…。俺もあんずを枕にする。」
「私は枕じゃありませんっ!!!」
「ちょっと、手鞠野が呆れてるよ」
「いやぁお構いなく」
適応の早い人で良かった……。これから合同ライブやるってのに、ドン引きされ続けたらそれどころじゃなくなるもんね…。