第16章 騎士たるもの 月永レオ
「手鞠野小町です、よろしく!」
姉妹校の代表としてやって来たのは背の高い……顔の整った人。
明るくて朗らかそうな人だった。
私は、夢ノ咲学院の姉妹校と合同ライブを企画し、参加希望ユニットを募集したところ、Knightsが応募してきた。
姉妹校の代表に選ばれたのは手鞠野さんが所属するユニットなのだが………
3年の手鞠野さん以外は全員1年生で、合同ライブの日に1年生は学校行事で出られないという。なので、今回は手鞠野さん一人だけ………である。
ライブは対戦式ではなく、まぁ楽しくやろうぜっ!!というスタイルである。
「それじゃあ、プロデュース始めますね。」
自己紹介を終えた後、さっそくレッスンがスタートした。
Knightsの皆の実力は知っているが、今日初めて会った手鞠野さんの実力はわからない。とりあえず実力を測ろうということで、軽く単独ライブをしてもらった。
「ふぃー………。最近動いてないから疲れた。どーだった?」
終わったとたんに、ドサッと座り込んだ手鞠野さん。皆は素直な感想を述べた。
まとめてみると………
「ダンスがすごいですね」
「うん、俺音痴だから。」
………自分で言っちゃった。
そう、歌は……まぁちゃんとリズムはあっていたが音程が全然あっていなかった。しかし、ダンスは歌と比にならないくらい上手い。
聞くとどうやら、パフォーマンス重視のユニットにいるらしい。
「すごいねぇ…。手鞠野以外一年ってことは、リーダーなんでしょ?」
「うんそう。一年に教えてばっかで俺全然練習できてないの。一曲丸々踊ったの久しぶりすぎ……
ていうかさ、君たちKnightsって……5人って聞いてたんだけど、4人しかいないね?1人やめちゃったの?」
手鞠野さんの言葉に私含め全員固まる。そこに、タイミングをはかったかのように王様が降臨した。
「うっちゅーーーーーーーっ!!!!今日も良いインスピレーションがっ…………ってお?誰!?さてはお前、宇宙人だなーっ!?宇宙の挨拶、うっちゅーーーーーーーっ!!!!」
「………………………うっちゅー」
手鞠野さん、ドン引きである。しかも宇宙の挨拶が恥ずかしいのか、少し頰が赤くなっている。