第13章 あてんしょんぷりーず? ー葵ひなたー
「どーだった!?今の!!」
「良かったですよ…………ゆうたくん」
どう見てもひなたくんなのに、私はそう言った。
生徒会長さんの言っていたイタズラはこう__
『ゆうたくんでもひなたくんでも、ゆうたくんって呼んでみたらどうかな。』
何でゆうたくんで統一するのか不思議だけど、何となくやってみることにした。
「そう……ありがとうございます!!!」
どう見たってひなたくんの彼はゆうたくんのふりをした。
あぁ、なるほど。生徒会長さんがゆうたくんで統一した意味が分かった気がした。
何となく、だけれども。
ゆうたくんは複雑そうだし、ひなたくんは笑っているがどこか冷たい表情。
嫌って言えば良いのに。
まぁ、生徒会長さんに嫌ですやりたくありませんと言えなかった私も私。
しかし……どうなるのか少し気になるし、このまま続けてみようと思う。
「………」
ひなたくんがどんな顔をしているか、私はよく見ていなかった。
このことを、私は後悔することとなる。