第13章 あてんしょんぷりーず? ー葵ひなたー
「不思議な子達ねぇ…」
「…そうは、言ってないです」
生徒会長さんに廊下で捕まり、紅茶部のお茶会に誘われた。
最近どうかと聞かれたので双子のことを話してみた。
「でも、不思議かも」
「どっちなんだい?」
クスクスと笑われたので、何だか悔しかった。
「……葵ひなたくんが、葵ゆうたくんに見えて、葵ゆうたくんが、葵ひなたくんに見えます。」
「………」
生徒会長さんは黙ってしまった。私の話す文章は大切なところが抜けてしまう。なので、生徒会長さんはその大切なところが何か考えてくれているのだろう。
「2人が、同一人物に見えるのかい?」
「うぅん」
首を振れば、生徒会長がまた考える素振りを見せた。
「じゃあ、2人が入れ替わってるとか」
「それも違うと思うんです。」
「………そろそろ答え教えてくれないかい?」
生徒会長さんにそう言われたが、何だか頭の可笑しい奴とか思われそうだ。
「何か、無理に2人で一緒になろうとしてるみたい。」
「………そうか」
「…すみません、やっぱ変ですか?」
「いや、面白い。」
どこかキラキラした目で笑う彼は、悪いこと思いついた!という顔をしていた。
「ねぇ、あんずちゃん。」
「はい?」
「彼らにちょっとイタズラしたらどうかな。」
そう言って耳打ちしてきた内容は、とんでもない内容だった。