• テキストサイズ

短編集…あんさんぶるスターズ!【あんスタ】

第2章 夢の話し 遊木真


雲で太陽が隠れたのだろうか。逆光がなくなったため私は恐る恐る目を開けた。

眼鏡越しに目が合った。怒った顔をしていると思ったのに彼の顔はとても悲しそうだった。

私の口を押さえ込んでいた手をはなし、こう言った


「他に、何されたの…?」


真くんは更にケーキを私の口に入れようとしていた。
私は怖くなって正直に白状した。


「……お皿運ぼうとしたら部室に入ってきて、後ろから抱きつかれて…………」


洗いざらい全部話した。でも真くんの表情は変わらない。


「…好海ちゃん、知ってるよね?」

「え…?んぐっ!!」


再びケーキを口に入れられた。


「僕がそういうことあんまり良く思ってないこととか!朔間くんがまだ好海ちゃんのことを好きとか!全部知ってるよねっ!?」

「んっぐ……!んんっ………!!!」

「知ってるなら!何で!?何で朔間くんのされるがままなんだよっ!?それを!僕が大したことじゃないとか!そんな風に思ってるわけないでしょっ!?」


真くんの顔が見えるからより怖い。真くん、本気で怒ってる…


「どうして好海ちゃんは大したことじゃないって言えるのっ!?好海ちゃんは…朔間くんにそんなことされて嫌じゃないのっ!?」


真くんの怒声に私はこらえきれずに泣いてしまった。ここで泣くのはずるいかもしれないけど、我慢できなかった

真くんは驚いて、私の口を抑えていた手をはなした。


「………朔間くんに好きって言われて……私は…どうしていいかわかんなくてっ…朔間くんを拒んだら……すごく悪い気がして……でもそれ以上に真くんに悪いって気がして…

…でも朔間くんにとってもそれはすごい残酷なことで……私は………何も出来なくてされるがままっ……嫌じゃないわけないよっ………」


ポロポロ流れる涙を真くんは何度も謝りながらぬぐってくれた。

何度も何度もごめんと言いながら止まらない涙をぬぐってくれた
/ 683ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp