第4章 クリスマスor正月【岳人/長太郎/跡部】
「アーン?当たり前だろうが、俺様が女より下なんて堪えられねぇよ」
『全部が違い過ぎるよ。私も景ちゃんの事好きよ、いつの間にか大好きになってた……でもッ……』
「……お前、んな汐らしい性格か?」
『はっ?』
景ちゃんを好きになってから自分なりに色々考えた上で、自分と景ちゃんは合わない。
私に景ちゃんは勿体無い、暮らしている世界が違うと諦めるつもりで居た。
なのに彼の言葉はやはり私の勘に触る。
「お前が普通の女だ?……俺様の言う事は聞かねぇ、歯向かって来てケンカは売って来る、媚びて来ねぇ女は十分珍しいだろうが」
『そ、そうだけどっ……』
「お前と会ってもうすぐ三年経つが、こうも思い通りにならねぇ女は初めてだ……一度も飽きねぇしな」
『一人くらいこういう子が居た方が楽しいでしょ?』
「フッ……兎に角、お前がどう言おうが俺様が欲しいものは、どんな手を使ってでも手に入れる……俺をフレると思うなよ悠鬼」
『横暴じゃない?』
「素直に俺のものになれよ、悠鬼」
そういう景ちゃんの胸倉を掴んで自分の方に引き寄せた私は、不敵な笑みを浮かべる。
『良いよ、私の彼氏にしてあげても!』
「てめぇ、悠鬼……調子に乗るなよ」
景ちゃんが怒る前に彼の唇を、私の唇で塞いでやった。
外は真っ白な雪が振っていて室内も寒かったけど、私達の心と躰はとても暖かくて幸せな時間を過ごした。
お互いに意地っ張りでもうとっくに好きになっていたのに、私はずっとこの想いを認めたくなくて逃げ続けていた。
これからは今までよりもう少し優しく出来るかな?
「だから!ここはこうだって言ってんだろうが!」
『違うって!ここはこうした方が良いでしょう!』
「また喧嘩してんのか?」
「付き合ってもあの二人はあんま変わらねぇな」
「喧嘩する程仲がえぇっちゅう事や」
『あぁー!何で私はこんな人を好きになっちゃったんだろう!!』
「俺様の美貌に酔ったからだろ」
『それはない』
「じゃ、お前は俺の何処を好きになったんだ。アーン?」
『……何処だろうねぇ』
「ふざけんな!ちゃんと言え!」
ーちゅっー
「……ッ……」
『内緒!』
END