第2章 バレンタインデー【黄瀬/緑間/青峰】
【黒子のバスケ/黄瀬涼太編】
今日は待ちに待ったバレンタインデー。
女の子が好きな男に気持ちを伝える為に、チョコを渡す日っス。
俺は朝から女の子達に、沢山のチョコを貰ったっスよー!
もう両手で抱えられないんで、紙袋にも山程入ってるっス!
いや~、モテるのも辛いっスねぇ~
しかし…
「青峰っちは悠っちから、チョコ貰ったっスか?」
「あっ?……朝一で貰った」
「!?……緑間っちは!?」
「俺も今朝会って貰ったのだよ」
「僕も貰いました」
「黄瀬ちん、まだ貰ってないの~?……んっ……悠ちんの手作りチョコ、凄ぇ旨いのに。可哀想ぉ~」
「……っ!?……」
俺の想い人、悠っちから絶対チョコを貰えると思っていた俺。
しかし、放課後になってもくれる気配はなく、俺は恐る恐る帝光中時代の仲間に問い掛ける。
皆の答えを聞いて焦り出した俺に、紫っちは見せびらかす様に悠っちから貰ったであろうチョコを食べている。
(絶対可哀想だと思ってないっスよ!この人!)
「そんなに貰っているんだ、別に良いだろ?」
「良くないっスよ!悠っちから貰えるの楽しみにしてたんスから!」
「モテるヤツ程、本命から貰えねぇってか」
「!?」
「そう言えば、彩條さんが黄瀬君にはあげないと言っていました。」
「何で!?」
「あぁ~、言ってたねぇ~……無駄にされたら腹立つからって」
「無駄になんかしないっスよ!」
「俺達に言ってもしょうがねぇだろうがっ!」
鬱陶しそうに苛ついた青峰っちは、俺の尻を思いっ切り蹴り跳ばす。
皆貰ってるからって、冷たすぎっスよ!
でも貰えないなら…
「逆チョコするっス!」
「はぁ?」
「また唐突だな」
「何もしないで、悠っちとのバレンタインデーが終わるのは嫌っスからね!……俺から渡すっスよ!」
「頑張れ~、当たって砕けたら……んっ……悠ちんは俺の彼女にするから安心して?」
「断るっス!」
紫っちには譲りたくないので俺は決心した。
今流行りの逆チョコを渡して、悠っちに告るって!
俺は慌ててその場を去ると、チョコを買う為にデパートへと向かった。