第2章 幽霊
「今日は赤い革ジャンなんだ!似合ってるね!」
「運転してる時のカラ松、最高にカッコイイ!」
「カラ松の歌聞いて、私も尾崎好きになっちゃった!」
笑顔で抱き着いてきたマツフィーヌ、ケンカすると無口になるマツフィーヌ、けれども誰よりも優しくカラ松を受け止めてくれたマツフィーヌ。
「俺、そろそろ行くな。また来るからな。」
白いバラに雨粒が叩きつけられる。
雨が激しくなってきた。
「マツフィーヌ、愛してるぞ。」
小さく手を振ると、カラ松は静かに歩き出した。
頭が少しぼうっとしている。
「カラ松、好き。」
マツフィーヌの声がしたようで、ハッとして振り向く。
そこには誰もいない。
雨が降っているのに、ここまでバラの香りが漂ってきた。