第7章 childhood friend(青峰大輝)
私達は幼少期、もうひとりの幼馴染み、ピンク色のロングヘアでグラマラスだけどキュートな桃井さつきという女の子とよく三人で遊んでいた。
バスケが大好きな大輝とさつきは、中学もバスケの名門・帝光中学校へと進学した。
あたしは別にバスケが特別好きなわけでもないし、まだ将来何がしたいかなんて考えてもいなかったから、地元の公立中学校へと進学したんだけど。
バスケをしている時の大輝を見ているのが好きだった。
本当に楽しそうに走って、嬉しそうに笑うから。
それを見ているだけで幸せになれたし、あたしも頑張ろって思えたんだ。
当時は時々誘われてバスケの試合に応援に行ったりしたけれど、チームでうまくいかなくなったらしいのがきっかけで、段々と大輝の瞳から光が消えて、笑顔が消えていくのを見るのが辛くて、自然と足が遠のいていった。
大輝からの誘いもなくなっていった。
その代わりに、試合後に大輝の家に遊びに行く事が増えた。
いつか、翳った表情の理由を話してくれるんじゃないかって。
でも大輝は、話してくれなかった。
つまんなそうにしてるだけで、あたしには一切。
でも高校に進学して、ある時を境に、また大輝に光が戻って来た。
楽しそうにバスケする姿が見れたのはすごく嬉しかったんだけど……あたしが力になってあげられなかったのが無性に寂しくて。
なんとなく、想いを伝えないまま失恋したような気持ちになっちゃったんだよね。
この恋は、あたしの中だけで消した灯火だった。
なんでいきなり、今日なの?
だって、今日はあたしの……。
「あ、やだこれすごく美味しい」
アメリケーヌソースが絶妙で、つい漏らしてしまったその声を聞いて、大輝は微笑んだ。
シュートを決めた時とも、試合に勝った時とも違う。
その表情の、その意味は……?
to be continued……?