第5章 Additional happiness……?(黄瀬涼太)
「……ごっ、ごめんなさい、変な事言って、あの、今のはなんでもなくて」
涼太の動きが一瞬止まったのを、見逃さなかった。
突然変な事を言って、困らせてしまったんだろう。
「……ほんとに?」
「えっ」
「オレに気ィ遣ってるんじゃなくて?」
「気を……? 違うよ、私が最近考えていただけで……」
涼太は、はにかんだように笑った。
大好きな表情だ。
「オレも……欲しいなって思ってたんスけど……妊娠して、出産するのはみわだからさ……オレが欲しい欲しい言うのも違う気がして」
「そんな風に、考えてくれていたの……?」
涼太は、私の身体の事を心配してくれたんだろう。
長男の出産に立ち会ってくれた時も、私が死んでしまうんじゃないかって青い顔をして、産まれた時には一緒に泣いてくれて……。
優しい、ひとだから。
「涼太……大好き……」
優しく唇が重ねられると、涙が出て来てしまう。
好き、大好き、愛してる……この気持ちが言い表せる言葉が見つからない。
一番深くまで、繋がり合いたい。
「涼太……つけないで、して……」
「……遠慮、しないっスよ」
「うん……、あ……っ」
何も纏うことのない屹立は、グッと蜜口に押し当てられると同時に、抵抗なくするりと呑み込まれていく。
ふたりの間には何も隔てるものがなく、充血し、潤んだ粘膜は彼の全てを取り込もうとしている。
表現し難い悦びに、身体が打ち震える。
いま、涼太と、繋がっている。
「愛してる、みわ」
少し余裕のない、いつもよりも低めの声。
その夜は、子宮の中が全て彼で満たされて、抱き合って少しまたお喋りをして。
暫く余韻に浸ってから、ふたりで長男の眠る布団へと潜り込んだ。
いつか、次の幸せも来てくれるかな。
もしそうだったら嬉しいけれど、目の前の幸せを疎かにしちゃいけない。
大好きなひとたちと一緒に居られる今が、何よりも幸せだ。
これからもたくさんの笑顔を集めていこうね。
Happy Birthday,Ryota♡