第13章 Mic check!(黄瀬涼太)
涼太は、私の左太腿を持ち上げて、彼の右腰の上あたりに乗せた。
怒張した屹立が、解された入り口に当たる。
「……まだ、キツい?」
耳元で囁いた低めのその声が、余裕のなさを表していて……興奮を掻き立てる。
彼の言う通り、絶頂を迎えたばかりの身体はこれ以上ないくらい敏感になっている。でも、欲しい。
「だい……じょうぶ……」
涼太が頷いて、ゆっくり腰を近付ける。
入り口に当たっていた硬い棒が、抵抗なく入って来た。
「ん……ああぁ……っ」
身体を気遣ってくれているんだろうか、奥まで挿れずに浅いところを刺激されているんだけど、それはそれで違う種類の快感が攻め立ててくる。
一番奥を突かれる時のような、お腹の奥ではなくて、背中から頭までがピンと張っていくような快感。
「はぁ……ッ、はぁ」
ぐ、と下腹部に力を入れた瞬間、飛沫が飛んだ感覚があった。潮を吹いてしまったのかもしれない。それを確認する余裕も、今はない。
気持ちいい、けどもどかしい。
一番奥まで届かないのが切なくて、角度が変わるようにと腰を動かして、押し当ててしまう。
涼太がそんな私の動きに気がつかない訳がなく。
再び唇が重なったと同時に、体勢が変わる。
腿裏を掴んで大きく両脚が開かれると同時に、最奥まで先端が届いた。
体重が乗せられ、突かれた子宮の裏側から痺れるような快感が……もう、こうなってしまったら身を任せるしか出来ない。
「ぅう、っ、ん……っ!」
顔が熱い。全身が熱い。
喉も焼けつくように熱くて、出て行く呼気まで煙が立っているかのよう。
触れた涼太の身体も汗ばんでいる。
目が合うと微笑んで、キスしてくれて。
ふたりの境目が曖昧になって、身体からこころまで、ひとつになる。
「涼太っ、あっ、いく……っ」
「……早い、っスね……?」
「はぁ……っ、だって、すごく、気持ちいいの……」
「あー……かわい……」
小さな呻きとともに、涼太も達した。
跳ねる腰と共に勢いよく精液が放出されていくのを感じる。
お腹の中が、あたたかい。