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【黒バス:R18】with gratitude

第13章 Mic check!(黄瀬涼太)


「みわ……やっぱオレ、すげえ疲れた。癒して」

いつの間にかルームウェアワンピースの背中に差し込まれた器用な指が下着のホックを外し、服の中で胸が解放された。

指がそっと背すじをなぞる。

「あ……っ」

「ベッド、行こっか」

いよいよ力が入らなくなった私は、ただ頷くしか出来ない。
まるで夢の中みたいに、頭に靄がかかったままだ。

キスは継続したままベッドへ縺れ込む。
もう、身体が出来上がっているのがわかる。
まだ触れられてなくても、彼を求めてる。

胸に触れようとした涼太が、突然動きを止めた。

「……うーん」

「涼太……?」

「……なんかこうしてたら、あのモラ夫と同じ事してるような気がしてきた。セックスのことだけ考えてるわけじゃ、ないんスけど……」

「えっ、モラ夫って……最後の質問のひとのこと、だよね?」

突然涼太の口から出て来たのは、配信最後の質問者さんのことだ。
どういう、こと?

「いや、なんか偉そーに説教しておいて、結局やること一緒じゃんって思ったんスよ」

「え、ええ!? 突然なに、全然違うよ!? 同じところを見つける方が難しいくらいなのに!?」

あまりに驚いて、頭にかかってた靄が晴れた。

「マジで、最初はちょっとイチャイチャしようってだけなんスよ……マジ……毎度気付いたらスイッチ入っちゃってるだけで……」

しょぼんとした姿があまりに可愛くて、思わず吹き出してしまった。

「あ! 笑った! 理性ペラペラマンが何言ってんだって感じっスよね!?」

「ふふ、違う、違うんだけど可愛くて」

どっちかというと、いつも理性ペラペラで骨抜きにされているのは私なんだけどな……。

涼太だけがしたいって思ってるわけじゃないのに。
こんなに私を大事にしてくれるひとと、あんな酷いひとを一緒にしないで欲しい。

私が、愛情表現が苦手だからそう思わせちゃってるのかも……。

こんなに大好きなのに、うまく伝えられない。



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