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【黒バス:R18】with gratitude

第13章 Mic check!(黄瀬涼太)


「な、なんか今日ストレートじゃないスか?」

「ん? なにが?」

「いや、なんでも……さくらんぼ、美味いっスね」

涼太は言い淀むと、さつきちゃんが送ってくれたさくらんぼを口に放り込んだ。
私もひとつ頬張る。

「うん、身が大きくてすっごく甘いね。さつきちゃんにもう一度お礼しておかなきゃ……あ、そうだ!」

この間やっと出来るようになったあれを報告する時が来た!
口の中に意識を集中させて……

「ほら、私も出来るようになったの!」

「お、すげえ」

さくらんぼの茎を舌で結ぶという、誰もが挑戦したことのあるアレが、ついに出来るようになったのである。
涼太は学生時代に既に出来てたんだけど……。

「涼太がいとも簡単に結んじゃうから、悔しくて練習したの……」

「意外と一回コツ掴めばいけるっスよね。どっちが速いか競争しよっか」

子どもじみた私の報告も馬鹿にせずに聞いてくれて、少年のような瞳でそう返してくれた。

「う、涼太みたいに器用じゃないから、結構時間がかかるんだけど……がんばる」

「よし、よーいスタート」

とは言え、最近やってない涼太と練習したての私では、もしかしたら勝ち目があるかもしれない。

「んー…………」

「でーきた」

わずか数秒で涼太はぺろりと舌を出した。
綺麗に結び目のついた茎が乗っかっている。

「えっ、はや、速すぎない!?」

「オレこれ得意なんスよね」

ブランク、全く関係なかった……。

「うう、待ってね、いま私も……」

遊びとはいえ勝負は勝負。真剣なのである。
ちゃんと集中しないと。

「なんかもこもこやってるのめちゃ可愛いっスね」

そ、そういうこと言われると集中出来ないんだけど……!


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