第1章 MYRORD
「フフ。そうかね?まあ、向こうで会ったらよろしく頼むよ、ジョン」
「さあ、どうだろうね。まあ、愉しい訪日になる事を祈ってる・・・・・ラヴクラフト?行くよ?」
声を張って呼びかけると、ラヴクラフトは物憂げに顔を上げた。
「・・・日本に行く?」
スタインベックはウラジミールと顔を見合わせて肩をすくめた。
「ああ、そうみたいだね。凄いタイミングだ。嬉しいかい?」
「・・・私はスプーンを削る事になるのだろうか?」
カタカタと震えながら問うラヴクラフトに、スタインベックはにっこり笑って見せる。
「さあ?でも、そうなるといいと思うよ。愉しみだね、ラヴクラフト?」