第10章 忍び寄る危険
美琴side
もう少しで完成といった時に、
優輝のお母さんに「優輝と付き合ってるの?」
と質問され、びっくりして固まって
しまった。
「突然、ごめんなさいね m(__)m 」
「あの子があまりに真剣なものだから」
と笑っていた。
こんなにも良くして貰って、言わないわけに
はいかなかったので、正直な気持ちを伝えた。
「私、ずっと片思いばっかりだったんです」
「それから、久しぶりに優輝や涼介に会って
二人に告白をされたんです」
「二人のことは好きだけど、恋愛的な感情か
分からなかった」
「でも、いろいろあってどんどん優輝と
涼介の両方を好きだなと気付いたんです」
「まだ、どっちが好きかはっきりと分から
ないけど、ストーカーが怖いと感じた時、
すぐに優輝の顔が浮かんだんです」
「だから、ちょっと優輝のほうが、優勢です
かね?」とちょっと笑いながら言った。
そう言うとお母さんは笑いながら、
「それを知ったらあの子が調子に乗るから、
ここだけの秘密ね!」という顔は優輝が
いたずらをする時と似ていた。
そして、私たちが笑っていたら、優輝と
妹さんが帰ってきて
「なんか俺の秘密をしゃべったのか?」と
優輝がお母さんに詰め寄っていた。
優輝があんなに優しいのは、こんなお母さん
に育てられたからなんだなと分かった
気がした。