第13章 波乱の体育祭
涼介side
それから、二人とも作業を黙々と行い。
横断幕の修復が終わったのは、夕方だった。
そして、生徒たちが美術室にやって来た。
美琴は全員の部員が来たのを確認して
「ごめんなさい」
「先生、みんなに謝らないといけないことが
あるの」
「みんなが帰った後、みんなが一生懸命に
製作した横断幕を踏んで破っちゃったの」
「本当にごめんなさい m(__)m 」
と言って頭を下げた。
本当に悪いやつは別にいるのに、生徒のために
ここまでできる美琴は凄いと心から思った。
生徒たちはどんな反応をするのかと心配した
が、「ふふ、七瀬先生らしい(笑)」と生徒たち
に笑われていた。
そして、「じゃあ、修復しょうか?」と
生徒たちにが言うので、俺が
「美琴と俺で修復はしたんだけど、みんなが
気に入るか不安だけど見たいか?」と言うと、
「いいから見せてよ!」とワクワクしていた。
期待に答えられるかなと思いながら、二人で
修復した横断幕を見せると生徒たちは固まり
俺は不安になり、
「え、気に入らない感じ?」と訊いて、美琴
も困った顔をしていた。
すると、清水君が
「先生たち、俺らより上のクオリティを見せ
つけないで下さいよ!」
「みんな、クオリティが高すぎて言葉を
失ってしまいましたよ」と怒られた。
俺たちは「なんか、すみません」と謝った(笑)
やっとみんなこっちの世界に戻ってきて(笑)
「凄いよね!」
「ヤバい、俺らも頑張らないと!」
とやる気満々になっていた。
それから、副部長さんかな? が
「どうやって、修復したんですか?」と
訊いてきたので、
「美琴が貼り絵みたいにしてどうにかして
と言うから、とりあえず美琴が貼り合わせて
俺がマスキングテープで違和感のないように
アレンジしたんだよ!」と説明をすると、
副部長は勝てないなという顔をした。
多分、副部長がやったんだとわかったので
二人で廊下に出て、
「七瀬先生が邪魔なんだろうけど、こんなこ
とをしても意味はないよ」
と言うと「はい、身に染みて感じました」
「ちゃんとした方法で伝えるます」
「でも、私たちのことを考えられる七瀬先生
は本当に凄い」と思いました。
「清水君が好きになる理由が分かりました」
と納得していた。