第13章 波乱の体育祭
美琴side
いつも通りに家に帰って、次の日に学校に
行くと涼介が凄い勢いで社会準備室にやって
きた。
その時、私は朝食中でパンを持ったまま、
「先生が廊下を走っちゃダメだよ!」と
注意すると、「今はそれどころじゃない!」
「すぐにこい!!」と手をひっぱられて
パンを持ったまま、美術室に連れて行かれた。
たまたま誰も廊下にいなかったからいいけど
「もうまたこんなところを見られたら大変な
のにな~」と思った。
そうこうしていると、美術室に着いて室内を
見てみると、昨日製作した横断幕がビリビリ
にされていた。
ショックのあまり声も出なくて、ただ涙が
出ていた。それに涼介は気づいて、
「ごめん m(__)m 」
「俺の不注意だ、鍵をかけ忘れてた」
と謝りながら、服の袖口で涙を拭いてくれた。
でも、この事実を生徒に言えないよ(ToT)
絶対に知ったら悲しむから、
「涼介、このことは私たちしかまだ知らない
んだよね?」と確認すると
「まだ、俺ら以外は知らないけど」
「どうやって誤魔化すんだよ!」と訊かれても
私は芸術は見る専門だから困る(><)
でも、涼介ならどうにかできるかも!!
「分かんないけど、貼り絵みたいにして
芸術ぽくできないかな?」
「涼介のアイデアと力が必要なの!!」
「お願い、手伝って m(__)m 」と頼み込んだ。
涼介はしばらく考えた後、
様々な色のマスキングテープを持ってきて、
「これらのマスキングテープを使って、繋ぎ
合わせて違和感がないようにしてみよう!」
と言って、それから私の顔を見て
「どうせ、放課後までに直したいんだろうけ
ど、授業は大丈夫なのか?」と訊かれた。
さすが、涼介。
私が考えていたことが分かったみたい(笑)
「私は大丈夫だけど、涼介は大丈夫なの?」
と訊くと、「大丈夫だから、気にすんな!」
「とにかく、美琴は繋ぎ合わせろ!!」
「違和感なくするのは、俺がするから!!」
という感じで涼介と私の共同作業が始まった(笑)