第13章 波乱の体育祭
美琴side
向日葵の絵をもらって眺めていると、涼介は
生徒たちに大学時代の私についての質問を
されていた。
絶対にふざけて答えると思っていたのに、
真面目に答えて、誉めてくれて嬉しかった。
そして、私のために臨時教師を引き受けた
理由が分かった。
涼介なりに色々思ってくれていたことに、
本当に驚いたけど、過去のことを生徒に話さ
れて恥ずかしい (>_<)
よーし!
さっきの仕返しをしてやるぞ!!
「大学時代の涼介はいたずらっ子過ぎて、
大変だったのを私が止めてたもんね?」と
涼介に向かって言うと、女子学生たちが
「え~! 坂口先生ってどんな感じだったん
ですか?」と興味津々で訊いてきた。
「えっとね!」
「部室にダーツを置いて、授業に出ないで
練習でしょ」
「教授の部屋でお酒飲んだりもしてたよね?」
「あと、わざと教授のかつらに当たったふり
して取ってたよね (笑) 」
「えーと、あとは」と言っていると口を
塞がれ、「頼むからもうやめて!」
「これ以上、若気の至りを掘り出さないで」
と涼介が悲痛な声をあげるので、
まぁ 許してあげようかな(笑)
でも、ちゃんと言っとかないと思って
「私の過去を暴露すると、自分の過去も
暴露されることを忘れないでね!」と言うと
懲りたらしく、「すみません」と謝ってきた。
それを見ていた生徒たちは、
「坂口先生、弱っ」
「どんだけやんちゃしてたんですか?」
などいろいろ言われたい放題だった(笑)
そういえば、こんなバカ話をしている暇は
なかったんだ。
「みんな、早く横断幕を書かないと間に
あわなくなるよ!」と言うと生徒たちは
爆笑している。
「え? 先生もしかして心の声が出てた?」
と言うと、涼介が
「思いっきり声に出てたから、あのさ~
俺の扱い酷くね」と言っているが無視。
これが出来ないといろんな人に迷惑がかかる
んだから!!といろいろ考えていたので、
ある生徒の様子に気づくことが出来なかった。