第13章 波乱の体育祭
涼介side
優輝は忙しいにも関わらず、必ず毎日メール
や電話を美琴にしているらしい。
そのままでは、優輝に美琴を取られてしまう。
だから、自分の得意分野で美琴に良いところ
を見せたくて、美琴が顧問をしている美術部
の手伝いに積極的に参加していた。
でも、美琴は俺が無理をしているのではない
かと心配してくれたのは分かったんだけど、
俺と美琴が友達というのは全校生徒と教師が
知っているのに「なぜ、坂口先生なんだ ?」
「まさか、皆が知ってるのに気づいてない?」
「美琴のことだ、あり得そうだよな (笑) 」
と思ったら面白くて笑っていると、生徒も
笑い始めてしまった。
そして、事実を伝えると、美琴は気を使った
苦労を返せといった感じで拗ねてしまった。
まぁ、騒がしくしてたら寂しくなって戻って
くるだろう思っていると、生徒の清水君が
美琴を励ましに行った。
それが面白くないので、美琴が好きな向日葵
を立体的に書いて、手招きをして見せると
怒っていたことも忘れて大興奮(笑)
とても欲しそうにしているので、
「ほら、やるから機嫌直せ」と言って渡すと
すごくキラキラした目でずっと絵を見ていた。
そんな美琴が可愛くて、俺が笑顔で見ている
と、
「先生たちって付き合ってるんですか?」
と訊かれて、立場上は言ったらダメだろから
「大学からの付き合いが長いだけだから」
と笑って誤魔化した。すると、
「七瀬先生って、学生時代どんな感じでし
た?」と女子学生が質問するので
「基本的に今と変わらないよ」
「大学時代も天然過ぎて、告白に気づいて
なかったし (笑) 」
「一人でいる子がほっとけなくて、声を
かけては仲良くなってしまうし」
「人の少しの変化にも気がついて、寄り添っ
てくれる」
「世話好きだから、よく俺と友達が酔い
潰れて介抱されてたよ (笑) 」
と言うと生徒たちは納得していた。
やっぱり美琴は相変わらずで、生徒に寄り
添ってるんだと感じた。だから、
「今回、臨時教師を引き受けたのもいつも
お世話になってる美琴に恩返しをしょうと
思って」と言うと生徒にとても納得された。
俺ってどんな印象なんだ?
そんなにやんちゃに見えるのだろうか?
そうだったら悲しいな (ToT)