第13章 波乱の体育祭
美琴side
優輝は事件で忙しくなり、会えない日々が
続いていたが、必ず毎日メールか電話をして
くれていた。そして、私の絵文字や声だけで
私の機嫌が分かるようでいつも優しく話を
聞いてくれる。
涼介とは私が美術部の顧問ということもあり
会う機会が増えていた。
なぜかと言うと、体育祭の横断幕をうちの部
が製作するため、涼介も手伝ってくれていた
からだ。でも、仕事で忙しいはずなのに、
涼介はほぼ毎日部活に顔を出していたので、
無理してないか心配だよ(>_<)
今日も涼介は部活の時間に来ていて、生徒も
いたので、
「りょ、坂口先生、毎日来てお仕事は
大丈夫ですか?」と訊くと爆笑された。
こっちは心配して聞いてるのになんで笑われ
るの? 意味わかんないんだけど?
と困惑していると、涼介が
「坂口先生とか言われると気持ち悪いんだけ
ど、生徒も俺たちが友達って知ってるみたい
だから、いつも通り話してくんない?」と
言われてびっくりして生徒を見ると、生徒も
笑ってた (>_<)
「え、うそ 知ってたの?」
「え? でも、私は言ってないけど」
と戸惑っていたら
「理事長が俺に話してもいいと言ってたか
ら、生徒に質問されて普通に答えたけど」
と言われて、「私の気遣いは?」となって
ガックリしているところに、
「それに、涼介って言いそうになってる時点
でダメだろ」
「本当に美琴は昔から超ど天然だよな(笑)」
と涼介にとどめを打たれて、もういじける
ことに決めて窓の近くで丸まった。
すると、部長でもある清水君が
「坂口先生、七瀬先生がいじけちゃいましたよ」
「どうするんですか?」と言って、私の近く
に来てくれた!
それが嬉しくて、「ありがとうm(__)m」と
笑顔で言うと、清水君は照れていて可愛かった。
でも、今度は涼介が無口になって何かを書き
始めて、しばらくするとおいでと手招きされ
た。
怒っていたけど、素直に向かうと
私の好きな向日葵の絵を色鉛筆で立体的に
書いてくれていた(*^-^*)
私は怒っていたことも忘れて、
「凄い、私の好きな向日葵だ o(^o^)o 」
「ねぇ、ねぇ、これ欲しいな♪」
と言っていると、
「ほら、すぐに機嫌が直るでしょ?」と
生徒に向かって言った。