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恋愛っていいことなの?

第12章 一難去ってまた一難


涼介side

優輝から昨日あったことを聞いて、怒りで

手を強く握っていた。

なんで優輝ばかり美琴の初めてを奪うんだよ

と思ったけど、俺は美琴のことをきちんと

見れていただろうか?

今回、美琴のためにと臨時教員を引き受けた

のに、結果は美琴を苦しめただけだった。

苦しめる原因を作った俺が二人を怒る権利は

ないから、今回のことは許そう。

でも、美琴をこのまま優輝に渡したくはない。

だから、今度こそきちんと美琴の変化に気づ

けるような男にならなければいけないと思っ

ているとチャイムが鳴った。

美琴がきたのだろう。

ちょっとだけ意地悪をして、誰が来たか優輝

には言わないでいよう(笑)

どんな反応をするかな?

美琴を無言で迎え入れると、優輝は美琴の

顔を見るなり固まった。

美琴は苦笑しながら、俺をじっと見たあと、

「救急箱はあるかな?」と訊いてきた。

なんでか分からなかったけど、場所を伝える

と、消毒液と絆創膏を取り出した。

それから、「涼介、右手を出して?」と

言われたので出して手を開くと、消毒をして

絆創膏を張ってくれた。

美琴が気づいてくれるまで、手を強く握り

すぎて、血が出ているとは気がつかなかった。

そして、美琴は手を優しく包んで

「ごめんなさい m(__)m 」

「この手からいろんなものが産み出されるの

に、傷つけさせてしまって」

と言って泣き始めてしまった。

そんな風に思ってくれているとは思ってなく

て、俺も涙が出てきてしまい、見られたくな

いので美琴を抱きしめた。

すると、美琴も抱きしめてくれて、しばらく

包まれていた。

優輝は何も言わず、待っていてくれた。
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