第1章 ゆめ
「…っと」
起こさないように、そっとベッドに横たえる。その横に腰掛けて、前髪とか直してやって。
また、寝顔を眺めた。
SEXの後とかいっつも思うんだけど、菜緒の寝顔ってスゲーあどけないんだよ。無垢っていうか。色っぽい表情見せつけられた後だと余計にそう感じるのかなって思ってたけど…やっぱ違う。フツーに幼い。思わず…微笑んでしまうくらい(笑)。
ま、今日もさ。期待してなかったわけではないんだけど。久々に泊まる気満々だったし、そりゃ当然…ねえ?久々だからさ。そっちも。
でも、俺だって鬼畜じゃないからね。こんな無邪気な寝顔晒してる人に、手なんて出せませんよ。さすがに。
ちょっと俺もやることあるし、とりあえずキスして…って顔寄せてったら、寸前で何やら声が…
「…しょー…んお…」
「…」
寝言?
「ふあっ…だぉ…」
「…なに?なんて?(笑)」
「…ぃがっ…」
「…」
モニャモニャよく聞き取れない。でも、表情から察するに…仕事がらみかな、これは。眉間に皺寄ってるし(笑)。
「寝ジワはダメでしょ。ほら、スマイルスマイル」
指でのばしてやってたら
「!」
いきなり伸びてきた両腕が俺の首に絡みついた。ちょっとバランス悪かったせいもあって、そのまま俺もベッドに転がって。
そして
「んにゃ…みぅ…て…」
「…」
完っ全に捕まった。ちょっと満足そうな顔で俺に巻きついてる、マイ・スイート…
コアラに?(笑)