第84章 人を陥れようとすると足をすくわれる。
絶体絶命のピンチ!
このまま成す術なく、総悟にヤられてしまうのか…一瞬覚悟を決めかけたその時、突如襖がガラッと開いた。
銀時「要するに、中身が銀ちゃんと分かってての蛮行と。テメーら腹斬る覚悟は出来てんだろうなァ…?」
総悟「あ。」
そこには般若の形相で仁王立ちする葵咲の姿が。今度は総悟が覚悟を決める番だった。こちらの場合は命の覚悟を。一気に血の気の引いた総悟に、容赦なく木刀が振り下ろされる。
銀時「ったく!どいつもこいつもォォォォォ!!」
葵咲「なんで俺まで!?俺は被害者だろーが!!」
一郎兵衛は一足遅れるも葵咲の後を追ってこの場に辿り着く。だが彼女の怒りを収める術は無く、ただ見守る事しか出来ずに総悟はボコボコにされた。
ちなみに銀時は一発だけ殴られた。先程ボコボコしてしまった為、これ以上は葵咲の身体の負担が心配だったのだ。自分の身体に戻った際には痛みが消えてる程度に留めたのである。
だがそれは自分の身体を慮っての事。気持ちは全く晴れていない。葵咲は銀時の胸倉を掴み、思うままの言葉を放った。
銀時「元はと言えばテメーが俺を撒いて逃走するからだろうが。あぁん?」
葵咲「葵咲ちゃん!?いつもの葵咲ちゃんは何処いったの!?口調がおかしいよ!」
これは本気のあかんやつや。そう察した銀時は瞬時に自らの怒りは収め、葵咲を宥める為に話を反らそうとする。だが怒りの収まらない葵咲は、なおも言葉を荒げた。
銀時「俺みてーな喋り方にしろって言ったのはオメーだろうが。」
葵咲「悪かった!だから落ち着こう!一旦落ち着こう!なっ!?」
銀時「最期まで美しく生きれねー奴は、せめて最期を美しく飾りつけやがれ・・・・!!」
葵咲「それ微妙に俺の台詞じゃないんだけどォォォ!思い出して!コミック一巻読み直して!!」
銀時の名台詞は意外な形で曲げられたのだった。