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銀魂 - 雪月花 -

第83章 悪気のない天然の方が罪な事もある。


総悟「正体現わしやがれ。さっさとしねーとこの首斬り落としちまうぜィ。」

葵咲「やめろォォォォォ!!これホントに葵咲アイツの身体だから!!本物だからァァァァァ!!」


“葵咲の身体”、その言葉に反応した総悟は銀時の首元にあてていた刀を離す。ひとまず殺気が消えたところで、銀時はポリポリと頭を掻きながら舌打ちをした。


葵咲「チィッ。とんだ凡ミスおかしちまったな。計画が台無しじゃねーか。」

総悟「もしかして旦那?」

葵咲「!? よく分かったな。」


その指摘に銀時は目を丸くする。思わず零れた感嘆の声に、総悟は呆れ顔でため息を漏らした。


総悟「仕草がそのまんまじゃねぇですか。変化の術でも会得したんですかぃ?」

葵咲「違ぇーよ。中身が入れ替わっちまったんだよ。天人に貰った薬でな。」

総悟「へぇ。そんな薬があるんですねぃ。」


関心を示したような返答をするが、その薬自体には興味はない様子。だがここで総悟は何かに気付いたようにハッとなって銀時に向き直る。そして人差し指を立てて提案を始めた。


総悟「! そうだ、旦那。一つ提案があるんですが。」

葵咲「なんだよ?」

総悟「その姿で土方さんをどん底に突き落としてやって下せぇ。もう立ち直れねぇくらいに。」

葵咲「どいつもこいつも考える事は一緒だな。」


今度は銀時が呆れたような顔で総悟の方を見た。総悟の提案自体を否定する気はないが、一緒に行動するかは悩ましいところ。銀時は適当な返答をして話を流し、単独行動へと戻る方が良しと判断するが、総悟はそれを許さない様子だ。総悟はなおも真剣な表情で顎に手を当てながら銀時を見据えていた。


総悟「さっきみてぇな芋演技じゃダメでさァ。何だかんだ言っても葵咲は土方さんの側近。すぐにバレちまいやすよ。」

葵咲「芋演技で悪かったなコノヤロー。」

総悟「俺が完璧な葵咲に仕上げてあげます。俺について来て下せぇ。」

葵咲「え?ちょ、オイ!」


そう言って総悟は半ば強引に銀時の手を引いて、屯所へと戻った。
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