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銀魂 - 雪月花 -

第83章 悪気のない天然の方が罪な事もある。


その叫び声に思わず足を止める一郎兵衛。
振り返ると、そこには猿飛あやめが立っていた。猿飛の事を知らない一郎兵衛は怪訝な顔を浮かべる。だが嫌な予感しかしない。
無視してこの場を立ち去ろうかと考えたが、それよりも先に猿飛が葵咲の胸倉を掴んで心のうちを訴え始めた。


猿飛「今の聞いたわよ銀さん!どういう事!?私という者がありながら、他の女に、しかもツッキーなんかに、かっ、かっ、可愛いとか…!」

銀時「!?」


泣きながら訴えかける猿飛を見てぎょっとする葵咲と一郎兵衛。その涙に慌てた葵咲は、思わず自分の率直な意見を述べた。


銀時「ち、違う!月詠さんはキレイ可愛い系、猿飛さんはカッコ可愛い系だから!でも個人的に世界で一番素敵なのは猿飛さんだと思ってる!!」

(一郎:えええぇぇぇぇぇ!?)


大のくノ一ファンの葵咲。初めて会った時のあの崇高具合を思い返せば当然の返しとテンパり具合なのだが、そんな事を知る由もない一郎兵衛は心の中で大絶叫。今の見た目は銀時なだけに、大惨事だ。
そして銀時の事が大大大好きな猿飛は顔を真っ赤にしてワナワナと震えだした。


猿飛「ぎ、銀さん…!銀さんの一番が…私・・・・!?」


バタン!
猿飛はその場に卒倒した。


一郎「何処のプレイボーイだァァァァァ!!ちょ、失神したぞオイィィィィィ!とりあえずズラかるぞ!そしてお前はもう女と喋るな!」


収拾のつかないこの場の空気に、一郎兵衛はただただ逃げ去る事しか考えつかなかった。そしてこれ以上の悲劇を生まない為にも、一郎兵衛はは葵咲に釘を刺し、二人は走り出したのだった。
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