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銀魂 - 雪月花 -

第83章 悪気のない天然の方が罪な事もある。


銀時「どうした?嫌か?」

月詠「ああ、いや…。こんな毒気の三人の中に葵咲一人可愛い女子(おなご)に来てもらうのは悪くないか?」


月詠の心配は自身の事ではなく葵咲の事だった。流石は銀魂イチ気遣いの出来る、空気の読める女。自分の事は二の次なのだ。
だがそんな彼女の心配などお構いなしに、一郎兵衛は自分への批判に対してツッコミを入れた。


一郎「おい。銀はともかく俺は毒気なんてねーだろが。」

銀時「いや、アンタは即効性のある猛毒だよ。」


葵咲は半ば呆れた表情で一郎兵衛のツッコミにため息を漏らす。ツッコむところはそこじゃないだろ。そう言いたい気持ちを抑え、葵咲は月詠へと向き直った。


銀時「月詠は毒気なんてねーだろ。」

月詠「え?」


思いもよらない気遣いに、月詠はパッと顔を上げて目を丸くする。そんな驚きの表情を見せている月詠を尻目に、葵咲は一郎兵衛に笑顔で話を振った。


銀時「葵咲より月詠の方が断然可愛いよな?」

一郎「えっ!?あ、うん?」


そんなフリが飛んでくるとは思ってもみなかった一郎兵衛は、ビクリとしながらも思わず頷いてしまう。二人のそんなやり取りに、月詠は顔をカーッと真っ赤にした。


月詠「なっ!ぬし!急に何を…!」

銀時「ほら、お前の方が可愛いって。自信持てよ。な?」

月詠「っ!!!」


葵咲に悪気はない。嘘偽りのないその言葉も態度を見れば分かる事。そんな“銀時”を見て月詠は耳まで真っ赤にしたまま言葉を失う。そんな二人の様子を見て、この状況の全てを理解している一郎兵衛は内心冷や汗を垂らしていた。


(一郎:おいおいどうすんだよこれ、後々すげーややこしい事になりそうだぞ…。これ以上はヤベェな。)


そう判断した一郎兵衛は、葵咲の手を引いてその場を後にしようとする。


一郎「と、とりあえず、俺ら急ぐから。飲み会の詳細はまた今度決めよーぜ。じゃあな!」


何とかこの場を切り抜けられる…その考えは甘かった。そこに予期せぬ人物が颯爽と現れた!


「ちょっと待ちなさいよォォォォォ!!」

一郎「?」
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