第82章 マウスの実験はあてにならない。
一郎「戻る前に俺と一発♡ってのはどうだ?華月楼ナンバーワン花魁との1回ってのは高額なんだぜ。良いだろ?」
葵咲「良いわけあるかァァァァァ!!ふざけんな!葵咲(コイツ)の身体汚されてたまるかってんだよ!!」
まさかのとんでも提案に度肝を抜かれる銀時。しかも自分の(?)貞操の危機だ。ぞわわっと鳥肌が立った。この場にいても己の身が危険なだけだ。
銀時は踵を返して一郎兵衛に背を向ける。葵咲の元へと歩みだそうとした時、一郎兵衛は銀時の肩を掴んで自分の方へと引き寄せた。
そして肩を組んで小声で耳元に囁きかけた。
一郎「まぁ待て。よく考えてみろよ。女の身体でヤれるなんて、そうそう体験出来るもんじゃねーぜ?AVやエロ漫画思い出してみろ。あんだけ気持ち良さそうに喘いでんだ。絶対ぇ男より気持ち良いって。」
葵咲「!」
ピクリと眉を動かし、その場に固まる銀時。心が揺らいだ。そしてそれを見逃さなかった一郎兵衛。あと一押し!そう思った彼は追い込むように魅惑の言葉を投げ掛ける。
一郎「それに、どうすりゃ女は喜ぶのか、どういうのが一番気持ち良いのか。その身をもって体験すりゃ次にも繋げられる…。」
葵咲「!!」
一郎「プラス俺のテクを全部伝授してやる。そうすりゃお前もモテモテだ。」
葵咲「うっ。ぬぉぉ…っ!」
完全に心が傾いた。元ナンバーワン花魁のスーパーテク伝授、これには銀時の心もグラグラだ。頭を抱えて唸る銀時に、更なる一言。
一郎「天パさえ治れば。」
葵咲「そこ一番問題なんだけどォォォォォ!!」
傾きかけた心が戻されてしまった。だが勿論の事ながら一郎兵衛は諦めるはずもなく、笑顔で続ける。
一郎「でも今よりマシになるのは確かだぜ。どうだ?俺と一発、悪い話じゃ…」
最後は適当に言いくるめようとした一郎兵衛だったが、その時、一郎兵衛の背後にヌッと人影が現れた。
「何の話をしてるのかなぁ・・・・?」
背筋をビクリと凍りつかせ、二人は振り返る。するとそこには般若のような形相を浮かべた葵咲(銀時姿)が立っていた。
葵咲・一郎「あ。」