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銀魂 - 雪月花 -

第80章 想いを示すなら百の口説き文句より一の態度


一郎「つーかお前なんでここにいんの?」

銀時「ちょっと待てェェェェェ!!オメーが呼んだんだろうが!オメーの芝居小屋向かう途中だよ!!」


どうやら銀時も葵咲と同じく、華月楼の一件で世話になった礼という事で特別招待を受けたらしい。招待した本人は男(ヤロー)に興味がなくてすっかり忘れてしまっていたようだが。銀時に言われ、一郎兵衛はポンと手を叩いて思い出す素振りを見せた。


一郎「あぁ!そういやそうだったな。悪い悪い。手土産まで持って来てもらってホント悪いな。」

銀時「いや、手土産なんて持ってねぇんだけど。何それ嫌味?買えってか?今すぐ買えってか?」


勿論銀時の手には手土産なんてない。全くの手ぶらだ。それについて一郎兵衛はチクリと指摘する。


一郎「お呼ばれしといて手ぶらはねーだろ。常識ねぇのか。恩人のくせに。」

銀時「それ恩人関係ねーだろ!つーかこんな道の ど真ん中で発情してる奴に常識だ何だ、言われたくねぇんだよ!!」


ごもっともな意見で反論を述べる銀時だが、そんな銀時と一郎兵衛のやり取りに葵咲はついてきていない。葵咲は至極暗い表情を浮かべて言葉を押し出した。


葵咲「ご、ごめんなさい…。急いで出て来たから私も手ぶら…。常識のない私はご招待受ける資格ないよね…。」


そう言って葵咲は踵を返して屯所へ帰ろうとする。一郎兵衛は慌てて葵咲の肩を掴み、その行動を止めた。


一郎「どわァァァァァ!うそうそ!常識無くなんかねーから帰るな!帰るなァァァァァ!!つーか凹みすぎじゃね!?俺の罪悪感が半端ねーよ!!」


これ以上ここで揉めても誰も何も得しないという事で、三人は芝居小屋へと向かう事にした。
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