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銀魂 - 雪月花 -

第79章 普段お母さんがしている仕事はお父さんには出来ない。


近藤の言葉を聞いた松本は眉根を寄せ、顎に手を当てて下向き加減になる。少し考えた後、再び顔を上げて近藤達に目を向けた。


松本「確認したい事があります。入院した病院と担当医の名前を教えて頂けますか?」

土方「あの傷が何かあるのか?」

松本「事実確認していない今の状況では何とも。」


憶測だけで安易な発言をするべきではない、そう思った松本は口を噤んでしまう。その様子を見た近藤は青ざめて言葉を押し出した。


近藤「そ、そんなに悪かったのか…?」


わなわなとしている近藤を見て、ハッと我に返る松本。自身の発言が誤解を与えてしまった事に気付き、慌てて顔を上げて言葉を付け加えた。


松本「ああ、すみません、これは別件です。此度の熱はそれが原因ではありません。単なる過労、気疲れ等によるものです。傷自体も完治していますのでご安心を。」

近藤「そうか!良かった…!いや、良くはねーけど!」


熱でうなされている葵咲の事を思うと“良かった”とは言えないが、とりあえず一安心。近藤は安堵の表情を浮かべる。だが土方は松本の発言に引っ掛かるモノを感じ、怪訝な顔を浮かべていた。

三人の会話を廊下の角に隠れて銀時が聞いていた。松本が訪れる前に退散したと思われた万事屋だったが、葵咲の事を心配に思った銀時は新八と神楽を先に帰し、この場に残って様子を見ていたのだった。


銀時「・・・・・。」


近藤達の話が落ち着いた頃合で、原田と山崎は三人がいる場所とは逆側から部屋の外へと出る。縁側からそっと庭に出た二人はこっそり言葉を交わした。


原田「とりあえず、俺達は大人しくしとくか。」

山崎「そうした方が良さそう…」


ピリリッ!
発言の途中で山崎の携帯電話が鳴った。山崎は懐から携帯を取り出して電話に出る。


山崎「はい、もしもし。…え?」
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