• テキストサイズ

銀魂 - 雪月花 -

第78章 天は二物も三物も与えはしない。


銀時「ねぇ。なんでCTとかMRIまで撮ってんの。俺レントゲンすら撮ってねぇんだけど。」


銀時が受けた検診項目は、血液検査、検尿、脈拍、身長・体重測定、聴力・視力検査のみ。学生の健康診断と大差ない。いや、レントゲンや心電図を受けていない分、それよりひどい。方や簡素な検診、方や人間ドッグコース。その待遇の差にツッコまないという選択肢はなかった。
その質問には土方が応える。


土方「公務員の特権だ。」

銀時「ふざけんなよ!この税金泥棒が!俺もちゃんと検査しろよォォォォォ!!」


病人の前で駄々をこねる銀時に、呆れ顔の松本。松本は深いため息を吐きながら適当な言葉を投げる。


松本「まぁ大丈夫でしょう。見たところ。」

銀時「適当な診断してんじゃねーよ!!」


なおも食い下がる銀時に、松本は少し苛立った様子で正論を述べた。


松本「そう仰るならしっかり働いて、きちんと税金を納めなさい。」

銀時「・・・・・。」


口だけで文句を言うのは誰にでも出来る。だが権利を主張したいなら先にやるべき事がある。まずは義務を果たせ。松本の言葉は真正面から銀時の心に深く刺さったのだった。
銀時が静かになったところで、松本は葵咲へと優しい微笑を向ける。


松本「熱が下がるまでは大人しく寝ていて下さいね。」

葵咲「はーい。」


医者の松本にそう言われてしまっては従わざるを得ない。葵咲は再び布団に横になり、その他のメンバーは部屋から出て行き、銀時は屯所を後にした。
/ 1377ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp