• テキストサイズ

銀魂 - 雪月花 -

第78章 天は二物も三物も与えはしない。


葵咲が倒れたその頃、松本は銀時の持ち寄った健康診断結果に目を通していた。
検尿、血液検査の数値を見ながら頷く松本。そして松本は書類を机の上に置き、聴診器を銀時の胸元に当てた。


松本「特に異常はなさそうですね。検査結果も血糖値以外は問題無しです。」


平然と放たれる言葉だったが、物凄く気になるフレーズに銀時はすかさずツッコミを入れる。


銀時「サラッと言ってっけど、血糖値が高いのって問題なんじゃないの。」


ご存知のとおり、銀時は糖尿病を患っている。糖尿病は生活習慣病の一つ。放置すれば後に合併症を引き起こしたり、三大疾病へと繋がる可能性だってある危険な病。それをサラリと流された事には納得がいかなかった。
だがそれに対して松本はしれっとした態度で言葉を返す。


松本「これは慢性的なものでしょう?先日の華音の術は関係ありません。気になるなら糖質オフの食事を心掛けて下さい。」

銀時「・・・・・。」


ごもっともなご意見で。反論のしようがない。それに確かに今日は華音の術による影響がないかを調べに来たのだ。糖尿病を治しにきたわけではない。もとより甘い物好きの銀時は食生活を改善するつもりもない。
診察室内に沈黙が下りたその時、受付にいた看護師が慌てた様子で部屋の扉を開いた。


「先生、大変です!今すぐ屯所へ!」

松本「何事です?」


ただならぬ雰囲気に松本は目を見張る。銀時も看護師へと振り返った。


「市村さんが倒れたそうです!」

銀時・松本「!?」


松本は看護師達に後片付けや戸締り等を任せ、クリニックを出る事に。勿論、銀時もその場で退散するはずもなく、急いで二人は屯所へと向かった。
/ 1377ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp