第78章 天は二物も三物も与えはしない。
ボンッ!
ショートしたように頭から湯気を出し、顔を真っ赤にして叫んだ。
葵咲「きゃあああああ!!」
土方「あ!おい、ちょっと待て!葵咲!!」
土方の手を振り払ってその場から逃走する葵咲。突然の行動に土方は面喰い、出遅れてしまった。葵咲は廊下を走りぬけ、角を曲がったところで足を止める。
葵咲「こんなに顔が熱くなるなんて、もしかして私、土方さんの事を…?でも…私は・・・・。」
今までの体験や自分の気持ちを手繰り寄せてみようとするが、頭の中がひどく混乱しており、思考も儘ならない。
もう一度よく考えてみようとしたその時、目の前の視界が揺らいだ。そして葵咲は立っている事が出来ずにその場に倒れた。
突然その場から逃げ出した葵咲を心配し、土方は彼女の後を追ってきた。
心配というのは勿論、健康診断の結果についてだ。華音との戦闘が身体に負担を掛けてしまったのではないか、それが気掛かりだった。
土方「おい葵咲!お前ちゃんと病院に…。 !?」
角を曲がったところで、葵咲が倒れている姿を目にする。土方は慌ててしゃがみ込み、葵咲を抱き起こした。
土方「葵咲!?おい!大丈夫か!?葵咲!葵咲ァァァァ!!」