第78章 天は二物も三物も与えはしない。
まるでアイドルの出待ちだ。華月楼の時より酷い気がする。何と言うか、品がない。華月楼に訪れていた客人は上流階級の人間が多かった為、気品があった。だが病院ここに訪れる為には高額な費用は必要ない。一般客…もとい、中流階級以下の患者でも来院可能なのだ。
華月楼の噂は聞いていたが、その接客料を払う事が出来ない為に、泣く泣く諦めていた女達もこの場には来ている。
そんな現場に苛立っているのは銀時…以上に松本だった。松本は騒ぐ患者(?)をキッと睨みつける。
松本「仮病による冷やかしなら帰って下さい。」
睨まれた女達はすぐさま口を噤む。だが、一人の女は頬を赤らめながら胸元に手を当てて艶っぽい声を出した。
「私ィ、胸がきゅってなってェ、とーっても苦しいんですぅ~。先生ぇ~早く診て下さァい♡」
松本はその発言を無視して再び診察室へと入る。そして松本の代わりに銀時が反応した
銀時「ウン、それは病気だね。俺でも分かる。頭の病気だよ。」
あまりの惨状に銀時は怒りを通り越して呆れ顔を浮かべていた。