第76章 人に教える事は自分の勉強になる。
現実世界が着実に事件解決へと向かう中、葵咲はまだ夢の世界に囚われたまま…。
葵咲は幻想世界(銀魂高校)の同級生、土方に押し倒されていた。土方は葵咲の頬に優しく触れ、唇が触れそうな距離感で甘く囁く。
土方「葵咲…。やっぱ我慢出来ねぇ。・・・・良いか?」
土方の問い掛けに葵咲は頬を赤らめ、コクリと頷いた。
(葵咲:私は…土方君の事が好き。だから…良い、よね?)
まるで自分に言い聞かせるように心の中で自らに語りかける。自分は間違っていないのだと。
そしてその決意を固めたと、ほぼ同時に土方は葵咲をお姫さま抱っこの形で抱え上げた。
葵咲「! …え?」
まただ。
見た事の無いはずの情景が頭の中に浮かぶ。場所は大浴場のシャワールーム。葵咲と土方はタオル一枚の状態。葵咲は今と同じく土方に抱え上げられていた。全く記憶に無いはずなのに、他人事とは思えない。
そんな不思議な感覚に囚われ、きょとんとしていると土方が首を傾げて葵咲に問い掛けた。
土方「? どうかしたか?」
葵咲「え?あ、ううん!何でも…ない!」
慌てて我に返る葵咲。今の情景はきっと夢に違いない。そう言い聞かせて土方に視線を合わせた。土方は優しく微笑み、葵咲をベッドの上に降ろす。そして二人は再び唇を重ねた。
優しく、甘く、何度も、何度も…。一頻りキスを交わした後、土方は再び葵咲をゆっくりと押し倒した。
その時、葵咲の頭の中に土方の声が響く。
土方『…お前、やっぱ分かってねーよ。』
葵咲「!」